雪
三好達治

十一月の夜をこめて 雪はふる 雪はふる
黄色なランプの灯の洩れる 私の窗にたづね寄る 雪の子供ら
小さな手が玻璃戸を敲く 玻璃戸を敲く 敲く さうしてそこに
息絶える 私は聽く 彼らの歌の 靜謐 靜謐 靜謐



青空文庫より引用