「野菊の如き君なりき」を見て

「野菊の如き君なりき」を見て
中野鈴子

湧く水のように
自然の素直さ
自然の親しさ
親しさの深まった
少女と少年の
永遠をねがう二人の
愛 親しみ
子供から大人へ
成長してゆく
ありのままの
素直なねがい

りんどうと野ぎくと
花にたとえて

りんどうの花しか知らぬ
触れもせぬ
野菊の花の
りんどうの花しか知らぬ
子供をみもごり

死んだ方がいいのです
死んだ手に
りんどうの花と手紙とにぎられていた



青空文庫より引用