春爛漫として

春爛漫として
中野鈴子

樹々花つけ
陽炎燃え
地上に満つ たのしき命

命あふれ
咲きさかる
天地のうたげ

君は往く
君は発つ
一つの命
千百の
君が青春

この春爛漫として

君が幸 かなしみ
才能 力 美しさ

ながき はるかなる
それら一切のもの
いまここに投げ打たんとして



青空文庫より引用