〔ま青きそらの風をふるはし〕

〔ま青きそらの風をふるはし〕
宮沢賢治

ま青きそらの風をふるはし
ひとりはたらく脱穀機

 R-R-r-r-r-r-r-r-r
脱穀小屋の庇の下に
首を垂れたる二疋の馬

 R-R-r-r-r-r-r-r-r
粉雪おぼろにひかりたち
はるかにりりと鐘なれば
うなじをあぐる二疋の馬

華やかなりしそのかみの
よきギャロップをうちふみて
うまやにこそは帰り行くなれ



青空文庫より引用