〔われらが書に順ひて〕


われらがふみに順ひて
その三稜の壇に立ち
クラリネットとオボーもて
七たび青くひらめける
四連音符をつゞけ
あたり雨降るけしきにて
ひたすら吹けるそのときに
いつかわれらの前に立ち
かなしき川をうち流し
渦まく風をあげありし
かの逞ましき肩もてる
黒き上着はそも誰なりし



青空文庫より引用