〔夕陽は青めりかの山裾に〕
〔夕陽は青めりかの山裾に〕
宮沢賢治
夕陽は青めりかの山裾に
ひろ野はくらめりま夏の雲に
かの町はるかの地平に消えて
おもかげほがらにわらひは遠し
ふたりぞたゞのみさちありなんと
おもへば世界はあまりに暗く
かのひとまことにさちありなんと
まさしくねがへばこころはあかし
いざ起てまことのをのこの恋に
もの云ひもの読み苹果を喰める
ひとびとまことのさちならざれば
まことのねがひは充ちしにあらぬ
夕陽は青みて木立はひかり
をちこちながるゝ草取うたや
いましものびたつ稲田の氈に
ひとびと汗してなほはたらけり
青空文庫より引用
宮沢賢治
夕陽は青めりかの山裾に
ひろ野はくらめりま夏の雲に
かの町はるかの地平に消えて
おもかげほがらにわらひは遠し
ふたりぞたゞのみさちありなんと
おもへば世界はあまりに暗く
かのひとまことにさちありなんと
まさしくねがへばこころはあかし
いざ起てまことのをのこの恋に
もの云ひもの読み苹果を喰める
ひとびとまことのさちならざれば
まことのねがひは充ちしにあらぬ
夕陽は青みて木立はひかり
をちこちながるゝ草取うたや
いましものびたつ稲田の氈に
ひとびと汗してなほはたらけり
青空文庫より引用