樹園

樹園
宮沢賢治

髪白き山田博士が
書いだき帰り往くころ
かはたれはしづに這ひ来て
ふくよかに木の芽ほごるゝ

鳥飛びて気圧を高み
守衛長〔以下未完〕
ぎごちなき独乙冠詞を
青々となげく窓あり



青空文庫より引用