海と太陽 海うみは昼ひる眠ねる、夜よるも眠ねる、ごうごう、いびきをかいて眠ねる。昔むかし、昔むかし、おお昔むかし海うみがはじめて、口くち開あけて、笑わらったときに、太陽たいようは、目めをまわして驚おどろいた。かわいい花はなや、人ひとたちを、海うみがのんでしまおうと、やさしく光ひかる太陽たいようは、魔術まじゅつで、海うみを眠ねむらした。海うみは昼ひる眠ねる、夜よるも眠ねる。ごうごう、いびきをかいて眠ねる。青空文庫より引用