感謝


野のはて夕暮雲かへりて
しだいに落ちくる夕雲雀の
有心うしんの調さへしづみゆけば
かすかにほほうつ香ひありて
夜の闇頒ちてとばりくだる。

自然は地にみつ光なりや
今日はめぐりて山に入れど
見よかの大空姿いう
夜の守月姫宮をいでて
唱ふをきかずや人の子等は。

ああ君んずる額をあげて
不滅の生命いのちをさとり得なば
胸うちたたいて大神には
讚美と感謝をささげてずや。



青空文庫より引用