秋日行語


ちまた、ちまたを歩むとも
ちまた、ちまたに散らばへる
秋の光をいかにせむ
たそがれどきのさしぐめる
我が愁をばいかにせむ

捨身に思ふ我が身こそ
びいどろ造りと成りてまし
うすき女の移り香も
今朝の野分に吹き散りて
水は涼しく流れたり
薄荷はつかに似たるうす涙



青空文庫より引用