今、生まれしみどり児
めでたきものは
今、世に来たりしみどり児。
大いなるものの創造の
み手をはなれて遠からじ。
父に似し母に似し兄に姉にとささめく前に、
新しき生命に現われている
神のみ業をみつめよう。
みどり児のめでたさは、
その絶対の独自さである。
親やこの世の型の外にあふれている
その輝く自由さである。
絶対に自由な生命、
独自なる生命、
それが親々の生を通して
この世にあらわれて来た光栄を思おう。
親に人に私たちの見なれた型は、
みどり児の新しい生命の外側に深く刻みつけられている。
私たちはそれを見て、
あまり喜んだり悲しんだりすることをやめよう。
今、生まれしみどり児の
内なる光はめでたいものである。
絶対にめでたいものである。
みどりごの心 一九二九年(昭和四)
青空文庫より引用