供養


女は光る魚介のたぐひ
みなそこ深くひそめる聖像
われ手を伸ぶれど浮ばせ給はず
しきりにみどりの血を流し
われはおんまへに禮拜す
遠くよりしも歩ませ給へば
たちまち路上に震動し
息絶ゆるまでも合掌す
にちにち都に巡禮し
ものまざればみじめに青ざめ
おん前にかたくをとづる。



青空文庫より引用