足跡

足跡
蔵原伸二郎

ずつと昔のこと
一匹の狐が河岸の粘土層を走つていつた
それから
何万年かたつたあとに
その粘土層が化石となつて足跡が残つた
その足跡を見ると、むかし狐が何を考えて
 走つていつたのかがわかる



青空文庫より引用