山果集に寄す


行くがいい 既に門出の時である 行け
太陽のもと 喧噪のさなかに 行け 風塵霜露の衢々に
行つて お前の運命を試みるべき時である 行け
片意地な兜蟲 か弱い仔雀 跛この驢馬 憐れなるわがうたの一卷



青空文庫より引用