水のほとりに


水のほとりにこぼれる
響ない真昼の樹魂こだま

物のおもひの降り注ぐ
はてしなさ。

ちて消えゆく
もだしのこたへ。

水のほとりに生もなく死もなく、
声ない歌、
書かれぬ詩、
いづれかうるはしからぬ自らがあらう?

たまたま過ぎる人の姿、獣のかげ、
それは皆遠くへ行くのだ。

色、

光り、
永遠に続くなか



青空文庫より引用