泉
片山敏彦

われはわれを破らねばならぬ
わがまことの情熱をはばむわが型を内からこはさねばならぬ。
本能の泉のなつかしさよ。
人は本能をけがした。
人は本能を感覚といふ名前にまでだらくさせた。
感覚といふセルロイド製の花。



青空文庫より引用