初夏の祈祷
主よ、
いんよくの聖なる神よ。
われはつちを掘り、
つちをもりて、
日毎におんみの家畜を建設す、
いま初夏きたり、
主のみ足は金屬のごとく、
薫風のいただきにありて輝やき、
われの家畜は新緑の蔭に眠りて、
ふしぎなる白日の夢を畫けり、
ああしばし、
ねがはくはこの湖しろきほとりに、
わがにくしんをしてみだらなる遊戲をなさしめよ。
いま初夏きたる、
野に山に、
榮光榮光、
榮光いんよくの主とその僕にあれ。
あめん。
―一九一四、五、八―
青空文庫より引用
前回の続きから再開しました。