横臥合掌


病みさらぼへたこの肉身を
湿りたるわくら葉に横たへよう

わがまはりにはすくすくと
節の長き竹が生え
冬の夜の黒い疾い風ゆゑに
茎は戛々の音を立てる

節の間長き竹の茎は
我が頭上に黒々と天蓋を捧げ
網目なすそのひと葉ひと葉は
夜半の白い霜を帯び
いとも鋭い葉先をさし延べ
わが力ない心臓のかたをゆびさす



青空文庫より引用