晩秋哀語


ああ秋も暮れゆく
このままに
故郷にて朽つる我にてはよもあらじ
草の根を噛みつつゆくも
のどの渇きをこらへんためぞ
畠より疲れて歸り
停車場の裏手なる
便所のほとりにたたずめり
日はシグナルにうす赤く
今日の晝餉に何をたうべむ
 (故郷前橋にて)



青空文庫より引用